シシャモの一生

 11月上・中旬、親魚が産卵のため河川にそ上します。河口から10~15kmまでそ上し、雌雄ペアになって産卵します。雄の尻びれは大きく、産卵時に尻びれを雌の体に巻き付けて、体を密着させる行動をとります。これは雄の精子の量が少ないので効率的に受精させるための行動と考えられます。産卵を終えた親は、海へ戻り、多くは死にますが、雌の一部は生き残って翌年再び産卵に加わります。受精した卵は川底の細かい砂に付着します。翌年4~5月に体調8mm程の仔魚がふ化して、川水の流されて1日で海に下ります。仔魚は水深20m付近の沿岸域で植物プランクトンや動物プランクトンを食べて成長します。6月には体長1.5cm、10月には7cmになり、この時期の魚対は幾分透き通っていて、シラスと呼ばれます。12月には体長10cm程になり、このころの餌は成魚と同じゴカイや塩虫の仲間などになります。冬を越して翌年の秋に1歳、体長12cmほどで成熟し、河川にそ上します。一部の雄は秋になっても成熟しないで、再び越冬して、翌々年、2歳、体長15cmほどで成熟します。